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産経新聞『3歳児神話を「正しく」崩す』を読んで考える

長文なのでお時間のない方は注意してください(笑)

 

一昨日(2020.2.13)の産経新聞の1面と3面の

「どうする福祉」というコーナーに

3歳児神話を「正しく」崩す』という

タイトルの記事が出ていました。

 

概要は、

日本は「3歳児神話」という3歳までは

母親が養育しなければ

子どもの発達阻害や問題行動を増やす

ということが長らく言われてきた。

しかし、それは科学的根拠はないと各国の研究で

言われている。

日本の研究では、子供の問題行動は

夫婦の相互サポートや近隣の子育てサポートが

関係しているという結果が出た。

この研究を行った専門家は

「重要なのは母親が働いているか否かではなく、

 家庭の質と保育の質」と話している。

 

さらにこの記事の中では

「専業主婦なき国」スウェーデン

1歳から通える「保育学校」を紹介したり、

シングルマザーなので、幼少期の子どもを

保育園に預けた方の話を出している。

そして最後に

どこかの大学学長でNPOをされている方が

「正しく3歳児神話を『壊す』ことが必要」

と言っている。

つまり3歳児神話

①幼少期の養育が大切

②養育者は母親でなくてはならない

③働く母親だと発達がゆがむ

の①は真実だが、

子どもは母親だけでなく社会全体で

子どもを育てる仕組みを確立するべきと指摘する。

 

とここまでが概要で(長くてすいません)。

 

この記事を読んで、

幼児は幼稚園に預けて全く問題ないので、

預けてお母さんも働きに出ましょう。

と言っているように思えたのは私だけですか?

 

この記事を書いた人は(名前は出ていませんでしたが)

記事の中にそのように実際に書いてるわけではありません。

しかし、全文を読んでみると

暗にそう受け取れるように書かれているのかと。

 

私は大学院で臨床心理学を学んだのですが、

この記事に出てくる専門家の2人の方が言ってるように

・「重要なのは母親が働いているか否かではなく、

 家庭の質と保育の質」

・幼少期の養育が大切

ということは正しく、全く異論はないです。

 

しかし、この記事ではそこをさらっと書き、

幼稚園に預けて大丈夫というところを

様々な角度から大きくクローズアップしていて、

一番議論してほしい、

・どのようなものが「質の良い養育」なのか

・どうすれば「質の良い養育」を子どもに

 与えられるのか

が全く議論されていない。

 

幼稚園に行けば「質の良い養育」を

与えられるというのだろうか。

そこには何も触れずに

「幼稚園に預けても大丈夫」

と言ってるだけに思えるのですが。

 

「質の良い養育」とは

・身体面の世話と

・情緒面(心)の世話

が十分に子どもに与えられているということ

です。

(「十分に」とは心身の健やかな発達に必要なだけです。

これはお子さんによって必要量は変わってくるので

手探りで考えていくしかないです。

お子さんの様子を見ながらということになります)

 

身体面の世話を具体的に言うと

ご飯をあげたり、けがや病気の世話をしたりと

子どもの体の健康を確保することです。

 

情緒面(心)の世話を具体的に言うと

子どもがけがをして泣いたら

「痛かったね~」となぐさめてあげる。

一緒に遊んで笑って楽しい時間を共有する。

さみしがっていたり、怖がっていたら抱っこしてあやす。

甘えてきたら受けとめる。

などの心の健康を確保することです。

 

この身体面と情緒面(心)の世話の両方が

バランスよく与えられることが

 「質の良い養育」です。

 

正直、「質の良い養育」って

簡単に誰にでもできるものではないと思います。

 

幼稚園に長年勤めた方が

「この人には自分の子どもは絶対預けたくない

 って思った同僚いたよ~」

と言っていたのを聞いたことがあります。

また、小中学校で同じだった優しい同級生の女性が

保育士になったそうですが、

同僚の先生たちのいじめに遭い、辞めたと風のうわさで聞きました。

保育士同士のいじめって有名です。

私はそういう人たちに自分の子どもを預けたくないです。

 

 じゃあ評判のいい幼稚園に預けたらいいんじゃないの

と思われるかもしれませんが、

大学院に通っているときに幼稚園実習というものがあって

3歳児クラスに実習に行ったことがあります。

園長先生も、そのクラスの2人の先生も

考え方も人格も素晴らしく、

「自分の子どももこの幼稚園に預けたいな~」

と思えるほどでした。

しかし、2人で20人弱の子どもたちの世話をするのは

見ていてものすごく大変でした。

自分もかなり頑張って丁寧に行動と気持ちを見れるのは

2~3人が限度です。

プロとは違うので当たり前かもしれませんが、

目は2つ、頭は1つで物理的に難しい。

これが2歳以下の小さな子たちで、見る人数を減らしたところで

何か問題が起こっていないかを見るのが

精一杯だろうと思うのですが。

当然、先生の数が増えるほど

「質の良い養育」を与えられる機会が増えます。

親が自分の1~3人の子どもを見るのは

物理的に「質の良い養育」を与えられる機会

となっているのかと

(下に書くように必ずしも親が育てたら

「質の良い養育」となるかというと、ならない

ケースも出てくるので「物理的に」という表現にしています)

 

私は幼稚園に通わせるのが反対というわけではありません。

自分の子どもができて3歳になったら通わせようと

考えているぐらいです。

3歳から他者とコミュニケーションするための

脳領域が発達すると聞いたことがあるので、

その子の脳の発達のためにむしろ他の子どもと

コミュニケーションをとらせるために通わせようと。

 

また、私自身子どもは好きで、

2歳までは家で大切に育てようと考えてはいますが、

実際に生まれてみると、気持ちが変わったり、

自分の子どもを愛せないこともあるかもしれません。

そういうときも、幼稚園に預けた方が

家で愛情のない親に相手にされないよりは

いいと判断して預けると思います。

それか夫が子どもが好きで、育休をとれるのであれば

夫が子育てしてもいいと思っています。

 

子どもが好きという気持ちが変わることなんてあるの?

と思われるかもしれません。

2人の友人に別々に言われたことがきっかけで

自分の気持ちが変わることがあるのかもしれないと

思うようになりました。

 

友人の1人は生まれる前は私と同じように

子どもが好きで、手に職を持っているのに

保育士の資格を取ったほどでした。

生まれる前は私と同じように家で育てようと

思っていたらしいのですが、

なぜか生まれたら家にいるのが嫌になり、

子どもを預けてパートに出たと話していました。

本人も「なんでかわからない」と言っていました。

しかし、その友人は子どもとの時間を確保して可愛がっているし

とても可愛くいい子に育っているのも知っています。

 

もう1人の友人も生む前と生まれた後で

考え方がガラっと変わり、

自分が戸惑ったと話していました。

その友人は生まれる前は

夫も含めて自分の実家の家族みんなでその子を育てようと

楽しみにしていたそうです。

しかし生まれたら、誰一人としてこの子に

触れさせるもんか、自分一人で大切に育てる

という気持ちになったらしくて。

なぜそんなに考えが変わったのか

わからず、本人が一番驚いていました。

 

生む前と後でホルモンバランスが乱れ、

気持ちに大きな変化を起こすことが

科学的にもわかっています。

実際に身近に気持ちが変わった話を聞くと

関係のない他人事ではなく、

自分もどうなるかわからないと考えるようになりました。

今では子どもにその時点の選択可能な範囲で

「質の良い養育」を与える

という基準で無理なく柔軟に考えていこうかと

思っています。

 

なので、自分の体や心がしんどかったり、

子どもを愛せなかったら

お父さんや、おじいちゃん、おばあちゃん

が育てても、幼稚園に預けても全く問題ないです。

それがその時点での子どもに

「質の良い養育」を与える

ということになので。

 

しかし、私が今回の産経新聞の記事を見て

腹が立ったのが、この記事を見て

自分の幼い子どもを可愛いと感じ、

愛情いっぱいに家で育てているお母さんに

「やっぱり家で育てるのってだめなのか」

「一緒に居たいけど、世間の大勢と同じように

 預けて働かなくちゃいけないのか」

と肩身の狭い想いを抱かないかと心配になったからです。

 

はっきり言って、幼い子どもを愛情いっぱいに

育てているのは素晴らしいとしか言いようがない。

それが専業主婦だろうが、働く主婦だろうが

どちらも素晴らしい。

なので世間の目や言葉を何も気にせずに

精一杯子どもを愛して可愛い時期を一緒に楽しんでほしいです。

 

逆に専業主婦だろうが、働く主婦だろうが

子どもに愛情がなかったり、

自分のことにしか興味がなかったり、

子どもが愛情を欲しがっているのを

忙しいと見て見ぬふりをするという状態であれば

どうすれば「質の良い養育」を与えられるのか、

お母さんだけでなく周囲の人も含めて

考える必要があると思います。

 

そのときにお母さんが助けを求めているのに 

周囲の人たちが協力的でなかったり、

「お母さんが育てて当たり前」

という人がいたらその人の意見は無視していいです。

 

幼稚園に預けることはもちろんですが、

市や区の相談窓口や、カウンセリングなどで

不安ごとや愚痴を聞いてもらったり

具体的にどうすればいいか

相談することを一つの手と考えればいいかと思います。

 

長々と書き連ねてすいません。 

ここまで読んでくださって

ありがとうございました。。。